【将棋】AI評価が一手で急転、優勢から大敗勢へ。名人戦は2勝ずつのタイに。【名人戦七番勝負】
渡辺明二冠が豊島将之名人に挑戦している名人戦七番勝負。
豊島名人の2勝、渡辺二冠の1勝で迎えた第四局が行われ、渡辺二冠が勝利しました。
これで対戦成績はお互い2勝2敗となりました。
先手の渡辺二冠が矢倉を選択。1日目の午前中は早く手が進みましたが、午後からはじっくり。
豊島名人に長考があり、時間差・形勢ともにやや渡辺二冠が有利かというところで1日目終了。豊島名人が68手目を封じました。
2日目、中盤から終盤にかけて形勢は揺れ動きながらも大差はつかないまま推移。
そして午後になって最終盤。重要な局面が訪れます。
豊島名人の踏み込みに対する渡辺二冠の対応が悪手と判断され、AIの形勢判断は豊島名人が75%と大きく優勢に振れます。
その後の渡辺二冠の反撃の王手に対して、豊島名人の選択は二択。符号で言うと△5三玉か△5二玉。
検討のプロ棋士たちもどちらがいいのかわからない難解な局面。
ここで豊島名人が指したのは、△5三玉。
その瞬間、AIの評価値が、今まで見たことがいないような激変を起こします。
豊島名人の75%の優勢から、マイナス94%の大敗勢へ。
完全に裏返ってしまいました。
その後も難解ではありましたが、数字上の勝勢を得た渡辺二冠が、その数字を証明するように勝ちを手にすることとなりました。
あくまで数字上のことではありますが、たった一手の大逆転。
それも難解な二択で。
恐ろしいものを見た気がします。
将棋ってこんなことがあるんですね・・・。
まあ対局者はそういう認識は無かったと思いますが。
これで名人戦七番勝負はお互いに2勝。
ここから改めて2勝先取の三番勝負ということになります。
豊島名人の戦績がこのところ振るわないのがやや気になりますが、まだまだわからない名人戦。この先どうなるでしょうか。