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【将棋】大本命バナナが優勝。七冠集う最終決戦は圧巻5連勝決着。【AbemaTVトーナメント決勝】

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半年間にわたって放送されてきた第3回AbemaTVトーナメントも、いよいよファイナルを迎えることになりました

決勝に進出したのはチーム渡辺<所司一門>と、チーム永瀬<バナナ>

破格の賞金1000万円をかけて激突です。

 

 

 

 

出場チーム

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チーム渡辺<所司一門>は、つい先週に初の名人位を獲得した渡辺明名人(名人・棋王・王将)をリーダーに、若手強豪の近藤誠也七段石井健太郎六段の、同門(所司和晴七段門下)3人で構成されたチーム。

予選リーグはギリギリの2位通過でしたが、決勝Tに入ってからはチーム糸谷に5-2、準決勝はチーム三浦に5-2と、強さを見せてきました。

決勝Tに入って負け無しの近藤七段がチームを牽引しています。

 

 

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チーム永瀬<バナナ>は、永瀬拓矢二冠(叡王・王座)がリーダーとなり、2日前に王位を獲得したばかりの藤井聡太二冠(王位・棋聖)と、若手強豪の増田康宏六段で構成されたチーム。

若く強力なメンバーを揃え、当初から優勝候補筆頭とされていました

予選リーグはやや苦戦し2位通過となったものの、決勝Tではチーム天彦に5-2、準決勝はチーム康光に5-3と、一度も先行を許さず勝ってきました。

エースの藤井二冠がさすがの強さを見せ、増田六段もいい仕事をしています。

 

 

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偶然にもタイトル7つが揃うこととなった豪華な決勝

実はここまで両チームの勝ち上がり方はとても良く似ています。

エース(近藤・藤井)がどんどん星を稼ぎ、サブ(石井・増田)が大事なところでいい働きをしています。一方リーダー(渡辺・永瀬)はそれほどの活躍はしていません。

なのでどちらが勝つか予想は難しかったのですが、両エースを止めた方が勝つということは確実に言えそうです。

さあどうなるでしょうか。

 

 

 

対局結果

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1局目 ✖石井ー藤井〇

2局目 ✖渡辺ー増田〇

3局目 ✖近藤ー永瀬〇

4局目 ✖渡辺ー藤井〇

5局目 ✖近藤ー永瀬〇

 

5-0でチーム永瀬の勝利

優勝はチーム永瀬、準優勝はチーム渡辺となりました

 

 

 

感想

まさかの5-0

決勝戦でこの一方的なスコアは予想外でした。

どうしてこうなった・・という感じですが、まあチーム永瀬は全員が力を発揮して、チーム渡辺はそれができなかったということでしょうか。

 

エースを止めた方が勝つと思ってましたが、永瀬二冠が近藤七段に連勝したのはやはり大きかったですね。

これまであまり目立った活躍は無かった永瀬二冠でしたが、決勝の大舞台で大きな仕事を果たしました

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そしてチーム永瀬の方のエースはさすがの活躍ぶり。石井戦は不利な局面もあったように思いますが終盤の力で勝ち切り。渡辺戦は自玉の不詰めを読み切って勝ちと、持ち前の終盤力を発揮しました。強いですね。知ってたけど。

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流れを作ったという意味では、2局目で増田六段が渡辺名人に圧勝したのは大きかったように思います。これでチーム渡辺は空気が悪くなった感じがありましたからね。増田六段はこの1局だけになりましたが、いい仕事でした。

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一方のチーム渡辺は厳しい結果となりました。

 

本戦全勝だったエース近藤七段は永瀬二冠に連敗。二戦目は勝勢まであったところからの逆転負けでした。

チームが連敗した後の3局目、そしてもう後がない5局目と、チーム状況が悪い中で厳しい場面を任されて、重圧があったかもしれません。最後は熱くなってしまったということでした。

とはいえこの決勝までこれたのは近藤七段の力だと思います。素晴らしい戦いぶりでした。

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リーダーの渡辺名人も2連敗。

1戦目で増田六段に完敗してしまい、やや自虐的になってチームの空気を悪くしてしまったかもしれません。

2戦目の藤井戦は良い戦いでしたが、攻め切ることができず。

盤外では大いに盛り上げましたが、勝ち星は得られませんでした。

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石井六段は藤井二冠に敗れたものの、途中までは優位を築いていたように思えました。

お互いに時間が無くなってからは終盤力で差をつけられてしまいましたが、対藤井が想定されたオーダーで、プレッシャーもある中善戦していたと思います。

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優勝

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第3回AbemaTVトーナメント、優勝はチーム永瀬<バナナ>に決まりました。

振り返れば4月のドラフトが放送されたときから、「ズルイ」といわれるくらいの強力なメンバー構成で、当初から優勝の本命とされていました

優勝候補がそのまま優勝してしまったわけですが、予選リーグでは苦戦もありました。何が起こるかわからないフィッシャールールですからね。簡単ではなかったと思いますが、やはり総合力が高かったです。

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個人的にはまっすーこと増田六段の活躍が嬉しかったですね。

もちろん増田六段も若手の相当な実力者なんですが、永瀬藤井と同じチームとなると、やはりかなりのプレッシャーがあったと思います。

自分のせいでチームを負けさせるわけにはいかないし、自分が活躍できずにチームが勝ってもいろいろ言われそうだし。

その重圧を結果で跳ね返したのが素晴らしいですね。チームの功労者だと思います。

 

なお賞金の使い道については、増田六段「かっこいい車」、藤井二冠「PCのパーツ」、永瀬二冠「くつ下・ハンカチ・ジャージ」だそうです。永瀬先生・・・。

 

準優勝

チーム渡辺<所司一門>は準優勝となりました。

最後は大敗となってしまったものの、ここまでの勝ち上がりは素晴らしかったです。

盤外でも盛り上げてくれましたしね。

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本日はネタ将と化した渡辺名人でした。
おつかれさまでした。

 

まとめ

半年間将棋ファンを大いに楽しませてくれた第3回AbemaTVトーナメントですが、これにて終了となりました。

この素晴らしかった大会については、また別記事にまとめようと思います。

とりあえずは、大会の企画運営に携わった皆さん、出場・出演された皆さん、ABEMAさんに感謝したいと思います。ありがとうございました。

また、会えるよね・・・?

 

abema.tv