【将棋】永瀬王座の先勝。穴熊の堅さと大量の飲み物で四間飛車を破る。【王座戦五番勝負】
永瀬拓矢二冠(叡王・王座)に久保利明九段が挑戦することとなった、今期の王座戦五番勝負。
第一局が3日に行われ、177手で永瀬王座の勝ち。五番勝負先勝となりました。
対局者
永瀬王座は前期に当時の斎藤慎太郎王座からストレートで王座を奪取。今回初の王座防衛戦に挑みます。
現在叡王戦でも防衛戦を戦っており、そちらはあと1つ勝てば防衛が決まる状況。
本来4月開催の叡王戦が終わらないうちに9月開催の王座戦が始まることなんて有り得ないんですが、今年は叡王戦がコロナで延期された上に、持将棋が2回発生して長引いた結果、重なってくることになりました。
3日後にその叡王戦も控えており、多忙な中で王座戦第1局を迎えています。
今回挑戦者となった久保九段は、タイトル戦実績も豊富な、45歳のベテラン棋士。
挑戦者決定戦では渡辺明現名人を破り、2期前に王将を失冠して以来のタイトル戦登場を決めました。
振り飛車党の代表的存在であり、アマチュアに多い振り飛車党の期待を背負って戦うことになります。
対局場
今回の対局場は神奈川県秦野市にある老舗旅館、元湯・陣屋。
もう何十年も前から何度もタイトル戦が行われているおなじみの場所で、wikipediaにも記事があるくらいの名所です。過去には将棋史に残る「陣屋事件」なんてのもありました。
近年では「陣屋カレー」が有名になり、対局者も良く注文しています。
今回も両者注文されました。
対局内容
振り駒の結果、永瀬王座の先手番に。
駒組みをめぐってはいろいろ駆け引きも行われましたが、後手の久保九段が四間飛車からミレニアムの形に構え、永瀬王座は穴熊に組みました。
午前中から千日手になるかという状況もありましたが、永瀬王座は打開していきました。
そのあとは手数は多いもののじっくりとした展開になり、永瀬王座が少し指しやすいかという状況で、昼休さらには夕休後まで推移。
そのあとは永瀬王座がさらに強化した穴熊を生かし、後手の攻め駒をいなして、後手玉に手を付け始めます。
永瀬王座は最後まで冷静に指し回し、久保九段の受けも効かず、最後は詰みに討ち取りました。
感想と展望
永瀬王座がいい内容で先勝しましたね。
一方の久保九段は、やや作戦負け気味になってしまったでしょうか。ただ後手番で1つ落としただけなので、まだこれからだと思います。
ただ先手番となる次で勝てないと一気に厳しくなりますね。次戦の作戦に注目です。飛車はどこにいくんでしょうか。
あと対局外で印象に残ったのは、永瀬王座の飲み物の量ですね。
盤側にはお茶と水に加えてスポーツドリンク、そしてブラックコーヒーが大量に準備。
さらに昼食・おやつ・夕食のすべてに「抹茶・アイスコーヒー・グレープフルーツジュース」の3点セットを加えて注文されてました。
全部飲んだらえらいことになりそうな量ですが、盤側のものは最後まであまり減ってなかった気がします。
最近はバナナからコーヒーに切り替えているらしいですが、飲食物の大量投入は相変わらずですね。迫力を感じます。
加藤一二三先生は親近感を感じたそうです。
永瀬王座のドリンクの本数
— 加藤一二三@9/25『だから、私は神を信じる』発売 (@hifumikato) September 3, 2020
ひふみんの1日分くらい❣️
親近感を覚えました😌✨ https://t.co/aEDTijWyML
さて次戦はすぐ来週の9日。場所は京都ということで、久保九段のホームと言えそうです。
重要な対局で、振り飛車の底力が見られるでしょうか。楽しみです。
一方永瀬王座は3日後の6日に、また同じ陣屋にて、叡王戦の対局もあります。
3・6・9と、中2日でのタイトル戦が続くハードスケジュールですが、叡王戦は次勝てば防衛が決まるので、勝って気分よく王座戦第二局に臨みたいところでしょう。
次の対局も楽しみですね。