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【将棋】またしても持将棋。終わりの見えない叡王戦、永瀬叡王が1勝取る。【叡王戦七番勝負】

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いや一体どうなっているのか今期の叡王戦。

 

永瀬拓矢叡王に豊島将之竜王名人が挑戦している叡王戦七番勝負。19日にその第3局と第4局が行われました。

結果は、第3局目は207手でまたも持将棋第4局目は232手で豊島挑戦者の勝ち

また持将棋が出るわ立て続けに200手超えが出るわで、もうどうなってんのやらです。

まあ順を追って見ていきましょう。 

 

千日手と持将棋

まずはご存じない方のために少し「千日手」と「持将棋」について軽く説明を。

どちらも引き分けみたいなものですが、少し意味合いが違います。 

 

千日手とは、対局中に同じ手順が4回繰り返されたとき、その1局はナシにして最初から指し直しになるやつです。基本的にはその日のうちに指し直しになります。

人によりますが、「珍しいけどたまにはある」くらいの発生率で千日手は起こります。

 

持将棋とは、お互いの王様が上の方まで上がっていって、「これどっちも詰ますの無理だわ」っていう場合に、自駒を点数換算して、どっちも24点以上あったら引き分け(無勝負)になるっていうルールです。両者の合意で成立します。

千日手と違ってめったに発生しません。しないはずです。しないはずでした。

 

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これまでの経過

第1局

持ち時間各5時間で行われた第1局目は、先手の永瀬叡王が優勢と見られた状況から、後手の豊島竜王名人の千日手志向に呼応し、113手でまさかの千日手。夜9時前から指し直し局が行われ、115手で豊島竜王名人の勝ちとなりました。

大激闘で、1局目から大変な展開になったなーなんて言ってました。

↓そのときの記事はこちら。

milc.hatenablog.com

 

第2局

こちらも持ち時間各5時間。終盤ごろ有利と見られていた永瀬叡王が入玉を目指し、豊島竜王名人も難しい状況ながら入玉狙いに。点数勝負の模様となり、ギリギリ足りないかと思われた豊島竜王名人が手を尽くしてなんとか24点を確保。222手で持将棋成立となりました。

千日手とは違い指し直しとはならず、引き分けで終了。

最終戦の予定だった第7局の後に第8局が設けられることになった模様です。

↓このときの記事がこちら。

milc.hatenablog.com

 

 

ここまで2局で、千日手に続きレアな持将棋と続いたので、また何かあるんじゃないか?という空気はなんとなく漂っていました。

 

そして迎えたのが第3・4局。

叡王戦は2局ごとに持ち時間が変わるんですが、3・4局目の持ち時間は各1時間

タイトル戦では初の時間設定で、短いので1日で2局が指されることになります。

 

第3局

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まずは14時から始まった第3局目。

永瀬叡王の先手で、戦型は矢倉。永瀬叡王の研究手順という感じで進行していき、やや永瀬有利のまま両者1分将棋となりますが、まだ寄せるには大変な状況。

ここで永瀬叡王は寄せを急がず、上部開拓し自玉をジワジワ上げていきます。またしても負けない将棋が発動です。

対して豊島竜王名人も、苦しいながら入玉を目指していきます。これは第2局目と同じ展開。焦点は豊島側の点数が足りるかどうか。

永瀬叡王も強引に大駒を取りに行きますが取り返され、妨害しきれません。

結局豊島玉は入玉を果たし24点も確保。豊島竜王名人の提案を永瀬叡王が了承し、207手をもって持将棋成立となりました。

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まさかの2局連続の持将棋。

ただでさえ激レアな持将棋が、2連続で、しかもタイトル戦で発生するという異常事態となりました。

持ち時間各1時間の将棋でしたが、14時に始まり18時前に終了。4時間の熱戦です。疲れの見える対局者二人でしたが、1時間半後には第4局目が開始されます。

 

第4局

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そして19時半からの第4局目。

豊島竜王名人の先手。後手の永瀬叡王が横歩取りに誘導します。

横歩取りはまず持将棋にはならず、手数も短めで終わりやすい戦型ということで、やや安堵感が漂います。

形勢は揺れつつも豊島優勢に傾き終盤戦へ。70手で両者時間を使い切り、1分将棋に。

永瀬叡王が攻めかかり、豊島竜王名人が受け続ける時間が続き、何度か永瀬叡王も逆転のチャンスも得るも生かしきれないまま、反撃を受けいよいよ豊島勝ちかと思われた場面もありました。

しかし永瀬叡王も粘り続けます。そして豊島竜王名人にもミスがあったらしく、また混沌。

まあそこからもなんだかんだありました。たぶん二転三転していたのでしょう。前局からの疲れもある中ずっと1分将棋だとそうもなります。

激戦から最後に抜け出したのは永瀬叡王。なんとか詰みを見つけ出し、永瀬叡王が今シリーズ初勝利を手にしました。

19時30分から始まり、0時直前に終了。4時間半、232手の死闘でした。

 

まとめ

これで叡王戦七番勝負は第4局を終えて1勝1敗のタイ。

千日手局を含めれば、5局やって2回しか決着してないことになります。

手数で言えば第1局は113手+115手、第2局は222手、第3局は207手、第4局は232手。

合計で889手となります。これは通常のほぼ8局分。

つまり、8局分の手数をかけて5局を指し2局が決着したということになります。

なんとまあ効率の悪い・・・。

 

これで第7局までは確実、最大で第9局目までおこなれることになりました。

この調子だとそれ以上になる可能性も考えられます。

いつ終わるんでしょうか今期叡王戦。

最後までなんとか見届けましょう。

 

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