【将棋】藤井棋聖圧巻の3連勝でバナナ4強。天彦激闘もまったり敗退。【AbemaTVトーナメント決勝T4】
7月から生放送の決勝トーナメントに入っている第3回abemaTVトーナメント。既に3チームが準決勝進出を決めています。今回対戦するのはチーム永瀬<バナナ>とチーム天彦<まったり>。4強最後の枠を賭けた戦いです。
出場チーム
チーム永瀬<バナナ>は、永瀬拓矢二冠が、藤井聡太棋聖、増田康宏六段を指名したチーム。ドラフト当初から優勝候補と言われていましたが、予選Dリーグではチーム広瀬に苦戦し2位通過。やはりエース藤井棋聖の出来がチームを左右するでしょうか。
チーム天彦<まったり>は、佐藤天彦九段が、斎藤慎太郎八段、阿部光瑠六段を選んだチーム。予選Bリーグではチーム稲葉に対して6戦全勝するなど強さを見せ、1位で通過してきました。穏やかな雰囲気の3人ですが、将棋においては天彦リーダーを筆頭に激しさも持ち合わせているチームです。
藤井棋聖が力を発揮すればやはりチーム永瀬が有利。そうでなければ混戦になり、オールラウンドな阿部六段あたりがカギになるか、というのが戦前の予想でした。
対局結果
1局目 藤井〇ー✖斎藤
2局目 増田✖ー〇天彦
3局目 藤井〇ー✖阿部
4局目 永瀬〇ー✖斎藤
5局目 増田✖ー〇天彦
6局目 藤井〇ー✖阿部
7局目 増田〇ー✖天彦
チーム永瀬が5勝先取し、勝ち上がりとなりました。
チーム天彦はここで敗退です。
感想
藤井棋聖強いです。いや知ってたけど強いです。
チームの5勝のうち3勝を一人で挙げてしまいました。こんなエースがいたらそりゃチームは勝ちますわっていう感じです。
今回は3局とも落ち着いて丁寧に指し回し、リードを積み重ねて勝った印象で、横綱相撲的な、隙の無い戦いぶりに見えました。今後も藤井棋聖のこの調子が続くと優勝は堅いでしょう。そう思えるくらいでした。
そして今回のもう一つの見どころは、増田六段ー天彦九段の激闘3連戦でしょう。
3戦ともに終盤叩き合いの大激戦で、形勢も二転三転でした。
1局目は天彦優勢から寄せきれずで混戦になるも、最後に天彦九段が抜け出して勝ち。
2局目は増田六段が勝勢から毒饅頭で頓死。大逆転で天彦九段の勝ち。
決着局となった3局目は、増田六段優勢からの天彦九段必死の粘りで大激戦、最後は増田六段がなんとか勝ち切りという展開でした。
オサレで気品溢れる貴族さまである天彦先生が、頭を抱え髪を乱しながら、粘りの手を激しく指し続ける様は、視聴者を惹きつけチームを鼓舞するものであったと思います。
最後は力尽きましたが2勝1敗。すばらしい領主さまチームリーダーでしたね。立場に応じた義務を果たし領民を導く、本物の貴族です。
そして一方の増田六段も、1勝2敗ではありましたが、チームに勝ちをもたらす重要な勝利を3戦目にして挙げました。
2戦目は悔しい負け方でしたし、ずっとチームに貢献したいと言っていた増田六段に最後に勝ちが付いたのは良かったですね。
永瀬リーダーは今回1局だけでしたが、しっかり勝って貢献しました。もし増田六段が7局目で負けていたら、最後のプレッシャーのかかる場面で連投になっていたわけで、そこを受け持つのもまたリーダーの在り方かもしれません。
斉藤八段は2敗。タイトルホルダー二人に勝つことができませんでした。永瀬戦は有利も築いていたと思いますが勝ち切れず。じっくり指すタイプなだけに時間に追われて厳しかったかもしれません。
阿部六段も2敗。ともに藤井棋聖にやられてしまいました。オールラウンダーの強みを生かして予選では見事な戦いを見せていましたが、今回は手厚く対応されてしまいました。
展望
さてこれでチーム永瀬は4強。
優勝候補は、そのまま優勝してしまうんでしょうか。
チーム天彦はこれで敗退。もっと見ていたいチームでしたが残念です。
チーム永瀬の次の相手は、チーム康光<レジェンド>になります。
最年少チーム対最年長チームです。
普通に見れば若い方が有利ですが、なにせレジェンドですからね。4強まで来たのは伊達じゃありません。面白い戦いを見せてくれるでしょう。
次の放送は準決勝、チーム渡辺<所司一門>対チーム三浦<ミレニアム>。
間を置かずに来週やるようです。
楽しみにしましょう。