【将棋】丸山九段、メシも新棋聖も食う。千日手を経て快勝、藤井棋聖はここで敗退。【竜王戦決勝T】
竜王戦の決勝トーナメント、藤井聡太棋聖と丸山忠久九段の対局が24日に行われ、千日手指し直しの末、丸山九段の勝利となりました。藤井棋聖は今期竜王戦ここで敗退となります。
今局まで
藤井棋聖にとっては18歳最初の対局。3組ランキング戦では師匠の杉本昌隆八段を破って決勝トーナメントに進みました。
丸山九段は2組決勝で佐々木勇気七段に敗れましたが、2位で決勝トーナメント進出を決めています。
両者ともにこれが決勝トーナメント初戦で、今回初手合となりました。
1局目(千日手局)
振り駒で先手となった丸山九段が得意の角換わりを選択。早繰り銀か腰掛銀かと思われたところ、意表の棒銀に。
藤井棋聖も意表をつかれたか、対応に自信が持てなかった様子。時間をたっぷり使わされることになりました。
結局良くする順が見つけられなかったか、千日手に持ち込む形に。先手だった丸山九段も時間的優位を良しとしたか、あるいは後手番に自信ありと見たか、千日手を受け入れました。
2局目(指し直し局)
そして指し直し局。残り時間は藤井棋聖が約1時間30分、丸山九段が約4時間と、約2時間半の大差で始まりました。
後手の丸山九段が得意の一手損角換わり。これには藤井棋聖もうまく対応しましたが、中盤からやはり時間に追われます。
選択を迫る手を放ち、時には辛い時間攻めも繰り出す丸山九段の勝負術に、藤井棋聖も形勢を損ねる手を指してしまいます。
形勢に差がついても藤井棋聖は粘りを見せ、一歩間違えれば逆転という勝負手も放ちましたが、時間を残している丸山九段は正しく対応。
寄せきって勝ちを手にしました。
感想と展望
今回も谷川先生の感想まとめが簡潔で秀逸なので全乗っかりで。
昨日の竜王戦は丸山九段が強すぎたの一言に尽きます。
— ◇チーム康光 レジェンド◇第3回AbemaTVトーナメント (@TeamYasumitsu) July 25, 2020
先手での千日手は不本意かもしれませんが、結果的に時間の差を付けましたし、指し直し局の中盤以降の踏み込みは圧巻でした。
藤井棋聖は指し直し局は作戦勝ちだったと思いますが、
▲8八玉から囲いに行ったのが端攻めを誘発しました。
谷川浩司
丸山九段が作戦・パフォーマンス共に完璧に近いものを出したのだと思いますが、そうでもないと今の藤井棋聖には対抗するのが難しいということもあるでしょう。
今回時間差が勝負を分けた感じですが、藤井棋聖相手だと優勢を得ていても時間が残っていないと大変だというのは、棋聖戦第3局や王位戦第2局で思い知らされたところですからね。
敗れた藤井棋聖、今回はかなり悔しそうに見えました。「やられた」というより「ミスった」という感覚なのでしょう。これを糧にまた成長ちゃうんでしょうね。怖いですね。
さて竜王戦の挑戦争いは、本命とも目された藤井棋聖が敗れて予想が難しくなりました。やはり羽生先生に・・・と思ってしまうのですが、久保・丸山あたりも有力かなあという気がします。
どうなるでしょうか。楽しみですね。
将棋めし
大食漢で有名な丸山九段。今回もすごかったです。
藤井昼。
丸山昼。完全に二人分。
藤井夜。
丸山夜。大盛は基本。