【将棋】藤井聡太七段Wタイトル戦へ。天才少年は苦労人おじさんに挑む。【王位戦】
初めてのタイトル挑戦を記録とともに達成し、タイトル初勝利も果たしたばかりの藤井聡太七段ですが、それからわずか2週間、挑戦タイトルをもう一つ増やすことになりました。王位戦に挑戦です。
棋聖戦に続き挑決を争ったのは永瀬拓矢二冠。永瀬二冠にとっては今度こそ負けられないという思いだったでしょう。挑決まできて負けるって相当辛いと思いますし、それが二つ続くとなると・・・。
しかも永瀬二冠、2日前に伊豆で叡王戦の激闘を繰り広げたばかり。千日手で指しなおしとなり夜の11時過ぎまで戦って、そして敗れています。
そんな体力的にも精神的にも厳しいであろう状況でしたが、永瀬二冠は質の高い将棋を藤井七段と繰り広げました。
振り駒で先手となった藤井七段が得意戦型の角換わり、しかしいつもの腰掛け銀ではなく早繰り銀で仕掛けました。早繰り銀は叡王戦でも指されたように、どちらかといえば永瀬二冠の持ちネタ。棋聖戦第一局で渡辺棋聖に矢倉をぶつけたように、藤井七段は相手のフィールドで戦うことを厭いませんね。相手の予想を外す意味もあるのでしょうか。
形勢互角の範囲で推移していく中、いつものように藤井七段は時間を惜しみなく投入。難解な中盤を過ぎ終盤に入ったところで秒読みになりますが、間違えることなく指し続けます。そして機をとらえて抜け出し、寄せきりました。
これで藤井七段は棋聖戦に続き王位戦に挑戦が決定。木村一基王位との七番勝負に進むことになりました。永瀬二冠はまたも無念。叡王戦の防衛に集中することになりそうです。
王位戦を戦う木村王位は、偶然にもこの日誕生日を迎えたばかりの47歳。過去何度もタイトルに挑戦しながらずっと届かず、昨年ついに悲願の初タイトルとして王位を獲得し、「最年長初タイトル獲得」の記録を大幅に更新したおじさんです。
いやーこの時は感動的でしたね。涙のインタビューは印象的でした。誰よりもこの王位のタイトルに愛着を持っているのではないでしょうか。
その王位を17歳の天才少年が奪いに来ます。すごい構図になりますね。天才vs苦労人。木村王位に肩入れする人も多そうです。
王位戦七番勝負は7月1日・2日に第一局が行われます。こんなにすぐ始まるとは思ってませんでした。藤井七段は引き続き過密日程が続くことになりますね・・・。
次は中1日で持ち時間各6時間の順位戦。しかも相手が佐々木勇気七段となれば、開幕局からいきなり昇級戦線に大きくかかわる重要対局になるでしょう。
体調に気を付けて乗り切ってほしいですね。ずっと言ってますが。
観る将的にも過密日程は続きそうです。
おまけ
将棋めし。うまそう。