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【将棋】和服の師匠とじっくりねっとり。杉本八段vs藤井七段、二度目の師弟戦。【竜王戦】

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タイトル戦をはじめ重要対局が目白押しの6月ですが、今日は竜王戦ランキング戦3組決勝。杉本昌隆八段vs藤井聡太七段師弟対決です。

本戦出場者が決まる対局という意味では、竜王戦全体から見れば「そこそこ重要」くらいの位置の対局ですが、対局者がこの師弟となれば、いまや将棋界のみならず世間一般の興味をも引くところでしょう。

この二人の師弟対決は2回目。2年前の前回は千日手指しなおしの末、藤井七段が勝っています。師匠のリベンジなるかというところ。

 

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決勝に出ている時点で両者とも既に来期2組への昇級は決まっていますが、藤井七段にとっては、プロ入り以来4期連続での竜王戦ランキング戦優勝が懸かっています。つまりここまで各組予選では負けなし。6組、5組、4組とすべて優勝昇級してきています。あらためてすげえな。

一方の杉本八段にとっては、久しぶりの本戦出場がかかっています。竜王戦とは比較的相性が良くずっと上の方の組にいる杉本先生ですが、本戦に進めば2006年以来となります。さてどうなるでしょうか。

 

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やはりというか杉本八段、和服での登場となりました。気合が見えます。

あるいは棋聖戦に挑戦中で次戦から和服着用が見込まれる藤井七段に、和服での所作を見せようという意味もあるんでしょうか。

 

将棋はお互い序盤からじっくりと時間を使ったスローペースな展開がずっと続く展開。残り一時間になってやっと序盤から中盤というような進行でした。

しかし残り30分くらいから、一気に最終盤のような展開に突入。杉本八段の一手のスキに藤井七段が楔を打ち込み、それまでのゆっくりした展開が嘘のように一気にリードを押し広げました。そこからは間違えることなく藤井七段が勝ち切り。

藤井七段が3組優勝で本選進出、4期連続の各組ランキング戦優勝となりました。

 

なかなか駒がぶつかるところまで行かず、いつ終わるんだろうという進行でしたが、最後は一気でした。展開上杉本八段にはチャンスの場面が訪れませんでしたが、じりじりとした展開の中で最後まで隙をみせなかった藤井七段が強かったということなんでしょう。

終局後のインタビューで杉本八段が「自分の目標は終わってしまったが、新しい楽しみもできた」ということを言われてました。ますます力をつけた藤井七段が本戦でどこまでいけるのか、挑戦もあるのか、楽しみにしたいと思います。

 

しかしながらここから藤井七段はかなりの過密日程

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(↑アベマ将棋チャンネルより引用)


ダブルタイトル挑戦がかかる永瀬二冠との王位戦挑決が中2日の23日、そして中1日で佐々木勇気七段との順位戦開幕戦が25日、さらに中2日で渡辺三冠との棋聖戦第2局があります。

重要な対局ばかり、強い相手ばかり。今月上旬もそうでしたが、これが強者の宿命なんでしょう。なんとか乗り切ってほしいと思います。

 

そして明日日曜は叡王戦、そしてabemaTVトーナメント。観る将も過密日程です。