【将棋】初挑戦の藤井聡太七段、大熱戦を制して渡辺明棋聖に先勝。【ヒューリック杯棋聖戦】
4日前に挑戦者が藤井聡太七段に決定したばかりですが、ヒューリック杯棋聖戦の五番勝負、渡辺明棋聖vs藤井聡太七段が早くも開幕となりました。
そして無事に対局が開催されたことで、本日をもって藤井七段の最年少タイトル挑戦の記録も無事に達成となりました。
実はちょっとだけ心配してたんですよね。この状況なので対局者のどちらかが発熱でもしたら対局が延期になりかねなかったのではと。その場合は記録達成とはならないのではないかと。まあ杞憂でした。
コロナの影響で対局場所はいつもの東京千駄ヶ谷の将棋会館。そして藤井七段はスーツ姿で登場。いつものやつやん!って感じですが、初のタイトル戦となる藤井七段にとってはプラスの要素だったかもしれません。
地方の旅館への遠征対局で和服着用となると随分勝手が違ったでしょうし、タイトル戦常連の渡辺三冠との経験差がすごいですからね。
終局後の会見では、和服については「師匠にもらったのがあるけど勝手がわからなかったので」ということでした。挑戦決定から間がなかったですからね。着慣れないとトイレの仕方もわからないって言うし。仕方ないでしょう。和服姿は第2局からになりそうです。(↓画像はJT杯のときのもの。)
さて将棋の方ですが、すばらしい大熱戦でした。
振り駒で藤井七段が先手となり、得意の角換わりかと思いきや意表の矢倉。序盤から拮抗した状態が長く続く展開でした。
終盤まではチラチラとしか見れませんでしたが、AIの評価もずっと互角もしくは微差の藤井有利で推移。そのまま最終盤の斬り合いに突入し、藤井有利に振れたかというところで渡辺三冠が最後の攻めを決行。猛然と王手をかけ続け、一手逃げ間違えたら即頓死というギリギリの綱渡りを強要しましたが、藤井七段は渡り切って見せました。
最後はきれいに逆王手をかけて渡辺三冠が投了。藤井七段が五番勝負を先勝としました。
多くのプロたちも感心の声を上げる、すばらしい将棋でした。
凄い将棋でしたね……(糸谷)
— ◇チーム糸谷◇第3回AbemaTVトーナメント (@Team_Itodani) June 8, 2020
一日外出していましたので、棋聖戦は精査ができていませんが、渡辺棋聖の追い込みも藤井七段が逃げ切ったという内容でした。
— ◇チーム康光 レジェンド◇第3回AbemaTVトーナメント (@TeamYasumitsu) June 8, 2020
△7九角から詰ましにいったところで、他の手はなかったのかを確認しながら記者会見を見ています。早い段階で自玉の不詰みを読み切ったのにも驚きです。名局でした。
谷川浩司
藤井聡太七段、見事な勝利おめでとうございます!!!
— 加藤一二三@中央公論新社『天才の考え方〜藤井聡太とは何者か』絶賛発売中! (@hifumikato) June 8, 2020
タイトル戦の檜舞台で先手番矢倉を選択され、一流棋士に相応しい指し回しで、終始『攻めの矢倉』を貫いて絶妙な闘いぶりで勝ちきられましたね。
快心の勝利というべき一局。
ストレート奪取も視野に入り今後の展開がより一層楽しみでなりません。
最強の相手に大激戦を制すというインパクトのある勝利を飾ったわけですが、タイトル戦そのものはまだ先手番で1つ勝っただけだとも言えます。
後手番となる次の第2局がどうなるか。落とせばイーブンとなり改めて3番勝負になりますが、勝てれば初タイトルに大きく近づきます。
戦略家の渡辺三冠が黙っているはずはないので、先手で何をやってくるかも楽しみです。次局は6月28日です。
棋聖戦は少し間が空きますが、その間も二人は過密日程が待っています。中1日で渡辺三冠は名人戦がありますし、同じ日に藤井七段も王座戦があります。そこから中2日で藤井七段はこちらも挑戦がかかった王位戦を戦います。
暑くなってくる中コロナ対策もあって大変ですが、体調に気を付けて乗り切ってほしいですね。
昼食の画像。えらい値段差やな。