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【将棋】2か月遅れの名人戦、渡辺三冠が先勝。忍者マスクと網戸の勝利(?)【名人戦七番勝負】

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コロナの影響で延期を余儀なくされていた名人戦七番勝負第1局が、6月10・11日の二日間にわたって行われ、挑戦者の渡辺明三冠が豊島将之名人に先勝しました。

 

対局場となったのは、三重県鳥羽市にある戸田家という大きな旅館。同時進行の棋聖戦はコロナ対応を理由にほぼ将棋会館での対局ですが、さすが名人戦は違います。

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そしてこの戸田家さん、渡辺三冠が虫嫌いという情報を事前に聞きつけて、対局室の窓に網戸を用意するというナイスなおもてなしっぷりを見せつけました。いま旅館はどこも大変ですが、そんな状況で素晴らしい心遣いです。

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将棋「名人戦」会場に選ばれた老舗旅館…“虫嫌い”渡辺三冠へ配慮のおもてなし(メ〜テレ(名古屋テレビ)) - Yahoo!ニュース

 

ただ渡辺三冠は2日前の8日に藤井聡太七段との棋聖戦第1局を戦ったばかりで、次の日に三重県に移動してその次の日から二日間の対局という休みなしの超ハードなスケジュール。一方の豊島名人は3月末以来対局がなく、超久しぶりの対局がいきなり二日制各9時間というぶっつけ大本番。ある意味お互いにコンディション面に不安を抱えた状態で、名人戦の開幕を迎えることとなりました。

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でも将棋の内容はそんなことを全く感じさせない内容となりました。

 

一日目は振り駒で先手となった豊島名人が角換わりを選択、相腰掛銀に。渡辺三冠の趣向の手に豊島名人が長考する場面があり、2時間近い差がついたところで渡辺三冠が封じて終了。まだ形勢に差は無いようでした。

 

二日目は開始早々から豊島名人がいきなり千日手を志向してザワつきましたが、渡辺三冠は後手番ながら応じることなく打開。その後渡辺三冠がやや指しやすいかと言われながらもAI的にはほとんど差がつかず、終局の1時間前でも50:50という表示が現れるほどの大熱戦に。最後は時間の無くなった豊島名人が攻めかかるも実を結ばず、渡辺三冠が見事に詰まして勝ちとなりました。

 

これで渡辺三冠が初の名人獲得に向けまず1勝、一週間後に山形で第二局が行われます。

 

さてそんなアツい対局だったわけですが、その中でひときわ目を引いたのが、渡辺三冠が途中から身に着け始めた変わったマスク

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これが登場すると視聴者は大盛り上がりで、忍者だとか時代劇だとかナベノマスクだとかいろいろ言われてました。

実際は「バフ(Buff)」と呼ばれるランニング用のマスクで、呼吸がしやすくてメガネが曇りにくいらしいです。

さすが渡辺先生、withコロナ時代の最善手を求めて研究に余念がない。これが今後将棋界の定跡となっていくのか見ものですね。

 

まだはじまったばかりの名人戦七番勝負、今後も楽しみです。