【将棋】流れは完全に森内。振り飛車を振り切りレジェンド4強へ。【abemaTVトーナメント決勝T】
いよいよ8チームによる決勝トーナメントに突入となった第3回abemaTVトーナメント。初戦はチーム康光<レジェンド>とチーム久保<振り飛車>の対決となりました。
そして決勝Tからはなんと生放送。対局者だけでなく視聴者にとっても緊張感があります。あと、まだ誰も結果を知らないというのがいいですね。予選リーグはかなり前に収録が終わっていたため、出場棋士たちも結果を知りつつネタバレにならないよう気を遣いながらアベマトーナメントの話をしてましたから。同じ時間を共有できるというのは嬉しいことです。
また、本戦からはルールも変わりました。予選では3人がそれぞれ2勝先取のポイント制で戦いましたが、本戦ではチームで5勝先取という方式となりました。ただし1人あたり1戦以上3戦以内の出場制限があります。オーダーの組み方も重要になりますね。
チーム康光<レジェンド>は佐藤康光九段、谷川浩司九段、森内俊之九段のレジェンド級棋士3人によるチーム。ベテランは不利と言われる早指し戦ですが、ものともせずに勝ち上がってきました。
チーム久保<振り飛車>は久保利明九段、菅井竜也八段、今泉健司五段の関西振り飛車党3人によるチーム。武器の振り飛車を駆使し強豪ぞろいのAリーグを1位で通過してきました。
比較的年齢の高いチーム同士の対戦ですが、唯一若手の菅井八段が星を集められればチーム久保が勝ちやすいかなあというのが戦前の予想でした。
対局結果
1局目 谷川〇ー✖今泉
2局目 康光✖ー〇菅井
3局目 森内〇ー✖菅井
4局目 谷川✖ー〇久保
5局目 森内〇ー✖今泉
6局目 康光✖ー〇久保
7局目 谷川〇ー✖菅井
8局目 森内〇ー✖久保
チーム康光が5勝先取し、勝ち上がりとなりました。
チーム久保は残念ながらここで敗退です。
感想
交互に星を取り合う緊迫した展開でしたが、最後は森内九段が決め切りました。いやー予選からそうでしたが、森内先生が強いですね。この日は唯一3連勝を決めました。流れは完全に森内というやつです。NKMです。よくわからんけど。
今泉戦は完勝でしたが、菅井戦と久保戦はギリギリの戦いになりながらも冷静な対処が光っていました。このルールは森内先生のフィールドなんでしょうかね。
最年長の谷川先生が勝ち越したのも凄いことだと思います。特に7局目、若い菅井八段に対して劣勢を跳ね返して勝った将棋は、チームにとっても大きな勝ちでした。局後に「ドキドキが止まらない♥」と言われてたのが印象的でした。♥はいらんか。
康光九段は菅井戦では激戦を演じたものの負け、そして久保戦では大きな見落としがあって負けと2連敗。予選では糸谷八段を下すなど剛腕も見せましたが、次戦に期待でしょうか。
一方のチーム久保は、菅井八段が1勝2敗と星を集められなかったのが痛かったですね。康光戦は激戦を勝ちましたが、森内戦と谷川戦では時間がなくなってからベテランに冷静な対処をされてしまいました。
久保九段は力を発揮しました。強かったです。最後は森内九段に激戦の末敗れたものの、谷川戦と康光戦は危なげなく勝ちましたし、リーダーとしての役割は十分果たしたと思います。
今泉五段は2連敗と残念でしたが、谷川戦は有利に進めていましたし勝てた将棋でした。森内戦は完敗でしたが、「じっくり」とのアドバイスに従いすぎた結果だと思います。チームの思い入れも深かっただけに残念ですが、大会を盛り上げたいいキャラでした。
これでチーム康光は4強。苦しいと思われたベテランチームがここまで来るとは思っていませんでした。さらに上まで行けるんでしょうか。楽しみですね。
チーム久保は予選の最初から登場し、ツイッターなども通じて大会を盛り上げ、我々を楽しませてきてくれました。 敗退は残念ですが、いいチームでした。
ちなみに今回初めての生放送でしたが、 緊張感はあってよかったものの、残念だったのは控室の様子がほとんど見られなかったことですね。予選ではチームメンバーのリアクションが見れて面白かったので。
生放送になることによってそれが見られなくなるのなら、正直生放送はデメリットの方が大きいくらいじゃないかという気がします。プレミアムなどで控室の様子も配信されるかもしれませんが。難しいところですけどね。
次回の放送は7月11日土曜日。チーム三浦<ミレニアム>対チーム広瀬<大三元>の対戦となります。こちらも生放送です。どうなるでしょうか。