【将棋】矛は盾を貫く。受け師を攻め倒して藤井聡太七段が先勝。【王位戦七番勝負】
王位戦挑戦者が藤井聡太七段に決まってから一週間ちょいですが、はやくも七番勝負が開幕です。木村一基王位と藤井聡太七段は公式戦初手合い。第一局が愛知県豊橋市で指され、挑戦者の藤井七段の先勝となりました。
藤井七段は棋聖戦と並行してのタイトル挑戦ですが、棋聖戦の方はここまで2局とも将棋会館で指されているので、今回の王位戦で初めてタイトル戦らしいタイトル戦を経験することになったと言えるでしょう。
前日に現地入りして対局場の検分、撮影やインタビュー、前夜祭をこなして翌日朝から対局。前夜祭こそオンラインでしたが、これでこそタイトル戦といった感じです。おそらく藤井七段は今後何度も経験することになるんでしょうけどね。
対局会場は藤井七段の地元愛知県、アークリッシュ豊橋というホテルにある音楽堂というきれいなチャペル。結婚式に使われる場所に畳を敷いての対局となりました。
ここで結婚せずに将棋するのこの人たちだけでしょうね。
さて将棋の方ですが、両者の持ち味が出た名局となりました。
振り駒で先手となった藤井七段がエース戦法の角換わりを採用。後手の木村王位も追随し、先手の攻めを誘うような動きを見せます。藤井七段はそこに飛び込んでいき、1日目から激しい展開となりました。藤井七段が飛車を見捨てて踏み込んだところで1日目終了。
飛車取りから始まった2日目は、昼から藤井七段の攻勢が始まります。藤井が攻め、木村が受けという手が続き、そのまま攻めきれれば藤井勝ち、受け切って一手の余裕を得れば木村勝ちというギリギリの終盤戦へ。木村王位も受けの攻守を連発し、一つ間違えれば奈落の底という状況も作りましたが、藤井七段は読み筋とばかりに突破していきます。そしてついにそのまま最後まで押し切って、投了に追い込んでしまいました。
これで七番勝負はまず挑戦者の藤井七段が先勝です。
初めての2日制の対局など慣れないことも多い中でしっかりと勝ってきましたね。2日目の午後は疲労を感じたとおっしゃってましたが、攻めを始めてからは戻すことなく最後まで押し切ってしまったので、攻め始める段階で相当読んでいたのだろうと推察されます。感覚なのか物量なのかわかりませんが、とにかく読みがすごい。積んでるCPUが違うというやつでしょうか。
木村王位も、実りはしなかったものの素晴らしい受けを見せてくれました。まだ七番勝負のうちの後手番を一つ落としただけなので、すぐに切り替えて次に向かっているでしょう。次は藤井玉に手をかける展開を見たいです。
次局は7月13・14日に札幌で行われますが、その前に藤井七段は棋聖戦五番勝負の第三局があります。その結果次第では王位戦第二局はタイトルホルダー同士の対決になってるかもしれません。さあ一体どうなるのか、楽しみですね。
以下めし画像。
おやつ1-1
めし1
おやつ1-2
おやつ2-1
めし2
おやつ2-2