【将棋】至高の大激戦 超早指しなのにまさかの持将棋【第3回abemaTVトーナメント】
コロナ下の閉塞感の中、将棋ファンの毎週のお楽しみとなっている第3回abemaTVトーナメント。
今週はグループBの天彦チーム対渡辺チームの対戦でした。
前節で全勝6ptを挙げた天彦チームは、誰かが1勝でもすれば予選突破という大優勢の状況。一方渡辺チームはこれが初戦となります。
先鋒戦は渡辺チームの近藤誠也七段が、落ち着いた対応の将棋で相手の作戦を成立させず、天彦チームの阿部光瑠六段に2連勝。
中堅戦も渡辺チームの石井健太郎五段が、攻防の判断に優れた指し回しで格上の斎藤慎太郎八段に対して2勝1敗としました。
ただし斎藤八段が1勝を挙げたことで、天彦チームの予選通過がこの時点で決定。
渡辺チームもこの日をプラスポイントで終えることが決まっていて、残る大将戦は消化試合気味かなあと思っていました。
しかし大将戦、渡辺明三冠vs佐藤天彦九段がものすごかった。特に1局目。
最初からハイスピードで気合を見せたかと思えば、そっからじっくりとした戦いに。そのまま時間がなくなっていき、叩き合いに突入。
対局時計のピーピー音、落ち着かない駒音、聞き手の渡部女流の「いや~」の声、そして強く時計をぶっ叩く「バンッ」が響きながら、寄せに至らずお互いの王様がわっしょい上がっていって。
結局両者の合意で、将棋界で一番わかりにくいルールである「持将棋」が発生することになりました。
わけがわかりませんが要は「大接戦でなんだかんだいろいろあったけどこの状態じゃ勝負つかないから引き分け再試合ダヨー」ってことです。
しかも残り時間が20秒くらいしかないところからの再試合。それでも立派な将棋になるところがこの両者の凄み。
つづく2戦目3戦目も見ごたえのある勝負が続き、結果としては天彦九段の2勝、渡辺三冠の1勝となりました。
これでグループBはチーム天彦が4ptで勝ち抜け、残り1枠をチーム渡辺(2pt)とチーム稲葉(-6pt)が直接争います。チーム渡辺が大優勢でしょうか。
来週も楽しみですね。
ちなみに「持将棋」がヤフーのトレンドワード9位にまで上がっていました。
こんなマイナーワードが。すごい。